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話すチカラ

image0.jpegこれはアナウンサーの安住さんと斎藤先生の対談が本になったものである。
これを読もうと思ったきっかけは、自分の話す力が落ちていることを感じている、安住さんが書いているということ、斎藤先生が書いているということ、である。

「わかりやすく話す」コツは、長年の教員経験と、なかでも私が最も力を入れていることなので共通意識である。この本で私が学んだのは、「話すためのインプット」だ。そういえば最近ネットに多くの時間を割き、あまり本を読んでいない...そもそもインプットが足りないのだ。

大学にいた頃は、図書費が潤沢だったこともあって片っ端から興味のある本を買いあさっていた。しかしながら、本屋に行ってもなかなかその気になるような本に巡り合うことも少なくなった気がする。そんな中で安心して読めるのが斎藤先生の本だ。私が学生時代に斎藤先生の授業を受けていたら、もっと言葉に興味のある理科教師になっていたかもしれない。

私が「話す力」が落ちていると感じる背景には、「あまり話さなくなった」ということもある。教師として話すときだけでなく、個人として話すときも「余計なこと」を話さないように気をつけているうちに、人と話すことを避けるようになってきている感がある。以前だったら生徒や学生たちにお節介とも思えることまで話していたように思うのだが、最近はそういうことも少なくなってきた。安住さんがいう「本当に言わなくてはいけない一言を言えなくなってしまう」という状況になりつつあるのかもしれないが、私についてきてくれる学生たちには言ってあげたい。今思えば、前回紹介した礼儀・礼節に関する本を選んだのも、失礼のないように言いたいことを言うにはどうしたらいいだろうか、という葛藤からあったのかもしれない。

もう一つ自分の話すチカラが落ちていると感じたエピソードがある。それは、最近受けたインタビューだ。フランスの合気道のグループがインターネットインタビューを企画してくれた。外国人であること、若い人たちをターゲットにしているだけあって、不思議な質問も多く興味深いものだった。1つ目のインタビューは英語で答えたのだが、実際の映像を見て英語の聞き取りづらさに驚いた。海外のセミナーは英語で行っているが、私の英語力が十分でないことと英語圏でないこともあり、短い単語で明確に話すことを心がけている。しかし今回のインタビューはインタビューアーに答える形になっているので、普段の会話のような話し方になっていて聞き取りづらいのだ。

また2つめは英語で質問されて日本語で答えているので、外国人にわかりやすい言葉で話そうという気持ちが働き、日本語が少しおかしい。それだけでなく、話したい内容がうまくまとめられなかったという気持ちもある。本の中では「人間関係がうまくいく話し方」とあり、相手の話しをうまく引き出す方法について書かれている。名インタビューアーはこれがとてもうまいのだろう。

一方で、回答側には「話をまとめて話す」という力も必要だ。言いたいことが複数出てきたときに、どの順番でどんな流れで話すのがわかりやすいか、ということを判断しなければならない。以前は授業60分喋り倒しということもよくあったが、基本的には生徒や学生、保護者、稽古人というある一定の集団が対象である。インタビューは不特定多数を対象としているため、どこに焦点を合わせるのかが難しかった。次のチャンスがあれば、もっと訓練したい。

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