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孤独を乗り越えたのではなく、横道に逸れて

 前回このブログを書いていたときには「1週間に1冊は本を読もう!そしてブログに書こう!」と意気込んでいたのに、あっという間にこんなにも時間が経ってしまいました。これまでに読んだ本の一部を紹介します。

 まずは齋藤孝さん「孤独のチカラ」、曽野綾子さん「人間の義務」。これらは孤独と生がテーマの本です。この本を手に取ったのは、1回目の緊急事態宣言の最中。道場を閉め、これからどうしたらいいのだろうかと悩んでいた時期。とりあえず先に進もうと稽古ビデオを作り始めるも、生徒たちからの反応は薄く、経済的な不安よりも孤独と戦っていました。そんな孤独と、どうやって生きるかと向き合うために、これらの本を手に取ったのです。斉藤さんの本は、青春時代にご本人が孤独と戦っていた時期を書いたもので、孤独を乗り越えることで強くなるというもの。ただその時は、読むほどに励みになるどころか暗くなる辛くなる...というわけで、最後まで読み切らず挫折。曽野さんの本は、生きることの意味を考えるもの。カトリック教育を受けたことで共感できる部分は多いのですが、まだその域は早い気がして今回は途中まで読んで保留。この2冊をは適当な時期が来るまでお預けになりました。

 次に、テレビで紹介されていて気になっていた、ヤマザキマリさんの「ビオラ母さん」。普段この手の本は読まないのですが、とにかく元気が出る本が読みたかったのです。テルマエロマエの漫画を読んだときから作者のヤマザキさんには興味があり、その生い立ちを知って納得。そして、子供の頃はみ出し者だった自分を肯定してもらえた気がしてとても嬉しい気持ちになりました。そのノリでヤナザキマリさんの本をさらに2冊。「地球生まれで旅育ち」「望遠ニッポン見聞録」。知性はすごくあるのにそれをひけらかすのではなく、女性というより「姉さん」的な文章は心地よい。濃厚な海外での生活を経て、日本のことを外から、それもダメな国としてではなく愛らしい国として見ています。そういえば、私が子供の頃に武道に興味を持ったのは海外留学を夢見出した時期であり、学生時代にアメリカやヨーロッパを合気道道場を訪ねながら貧乏旅行をした経験は、合気道の指導者としての道のきっかけにもなっています。海外での一人旅は、周りとは違う異質なものという孤独の中で、否が応でもでの自国と自分のことを考えさせられます。グローバル社会というのは外に目を向けるだけでなく、自国の良いところを見出し軸としていくことが必要です。

 もともと群れるのが好きではない私は、孤独にあまり不安を感じてきませんでした。その点で、研究者という職業は向いていたんだと思います。しかしながら、今感じている孤独は「指導者」という立場により生じるもので、一人で考え決断したことが周りに影響を及ぼすということで「周り」を意識したからこそ生まれる孤独のようです。先輩指導者に「指導者は孤独に耐えられなくてはいけない」と言われたことがあります。生徒がたくさんいても、孤独はある。

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